編集長のコラム 連載

理想と現実。|The Seesaw Game

 この世はいい方に進んでいると思う。新潟中越地震。かつての阪神大震災では被災後の後手後手な政府対応に批判が集中した。救援隊の出動の遅れ、物資の不足、自衛隊派遣の不手際などをマスコミはこぞって書き立てた。あれから約十年。新潟には、かつてないほどの支援とボランティアが集まっている。

この世はいい方に進んでいると思う。仙台に新球団設立。ライブドアじゃなく楽天かよとか、言いたいことはいくらでもあるけれど、選手会の十二球団存続の主張はつながったのだ。オールスターも続けられる。とりあえず、万歳。

この世はいい方に進んでいると…思っていたかった。でもイラクでの香田証生さん殺害事件には決してそんなことは言えない。日本はいい方向に進んでいるかもしれない。だけど世界はどうだろう? もしかしたら俺が俺の生活に一所懸命の間に、この世は取り返しのつかない方向に向かっているのかも知れない。かつての9.11から3年。米国はその後、全地球を巻き込んだ「正義の報復戦」に転じた。そしてその延長線上に、今回の惨劇がある。殺されて憎み、憎んでまた殺す。誰も救われないシーソーゲームの果てにあるのは、世界の終わりと血の大地。誰かがどこかで許さねばならない。そんなの誰もが知って、わかりきっていることなのに…。

「人の恨みってこんな風に…誰かが死なないと消えないの?」「…誰が死んだって消えねえんだよ。本当はな」(無限の住人)

 中東では、今日も復讐の連鎖が続く。

返信する