編集長のコラム 連載

終わりと始まり。|end is start

 桜の花も散り、春も徐々にその色を薄くして季節はどんどん夏に変わってく。出会いと別れの季節がひと段落して気付けば、大切な人が幾人も去っていた。

就職、転職、転居に死別。そしていなくなって初めて気付く。その人たちが自分にとってかけがえのない人々だったと気付く。今年の春は、そんな別れが多い季節だった気がする。

一期一会。人との出会いは偶然でいて必然であるのかもしれない。自分と関わりあった人々は自分と出会う理由があった。出会うべくして出会ったのではないか。そう思ってしまう。そしてまた別れも確実に訪れる。まるで最初から決まっていたかのように。

運命なんて存在しないとどこかの生物学者がうそぶいた。この世界にいる六十四億人の人々。でも俺達はたった三万日の人生でいったいそのうち何人と出会うのか?そんな小さな世界での出会いに運命などと大仰なことを言うべきではない、と。

でもその短い人生にあなたと出会い、同じ時間を過ごした。それをただの偶然だとは思いたくない。無意味だとは思いたくないのだ。あなたと逢えて本当に良かった。そう思いたい。そして思って欲しい。やっぱり人は独りじゃ、生きていけないから。

 「正論をもって口を封じないでくれ一夜の夢を見させてくれ。それくらいしか俺達には、無いじゃないか」(「心の疑問」より)

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